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The Capiaz official blog “13th st., Capiaz blvd.” (Our official web-site 👉 https://capiaz.com)
ヴォーカルのサトウナオヤです。
昨日、Bandcampに『Spukhaus #01 : Home-Recorded Songs 2021』という、6曲入りEPを無料配布し始めました。
(※期間限定ボーナス・トラック2曲あり。)
『Spukhaus #01』は「シュプークハウス・ゼロイチ」と読みます。
„Spukhaus“は独語でお化け屋敷という意味で「シュプークハオス」でも良いです。„#01“は「ヌマー・アインス」とかではなく「ゼロイチ」です。
なんでナンバリングがあるかというと、今後も宅録デモみたいなのが溜まっていったら、こういう風に定期的に無料配布するのがありかなと思ったからです。
(ボーナスの8トラック目を除く)全て筆者一人で演奏しミックスした宅録デモ音源です。
無料配布だし、全収録曲に統一された主題みたいなものがあるわけでもない割に、結構いいトラックを集められたような気がします。
とはいえセルフ・ミックスだし、ぶっちゃけ全体的に荒いと思ってます。特にリハスタに機材を持ち込んで限られた時間内で録ったヴォーカルには不安定なところが多いし、連発する高音がややキンキンするところもあって、早く歌い慣れてバンド演奏での正式な音源をお届けしたい気持ちがあります。
正直なところ、折角のバンド名義なのだから、初っ端からソロでのリリースなんてすべきではないと思っています。
じゃあなんでこんなのを作ったかというと、1曲目の“バンシー・キョンシー・スプーキーエレジー”(以下、“BJSE”。口頭では「バキョスプ」とでも略して下さい。)を10/31に発表したかったからなんですね。
リンクはSoundcloud。世界で初めてかも知れない「ぼっちハロウィン讃歌」です。中々面白い曲になったので、シーズン関係なく皆に聴いてもらいたいです。
2021年初頭ぐらいに、「魑魅魍魎が跳梁跋扈するような曲は色々作ってきたけど、何かハロウィンっぽい曲があったら面白いかな。」とかぼんやり考えてたんですが、そのあとコード進行だけ思いついて8月ぐらいまで放置しておりました。
元々バンドでスタジオに集まった時にその場でセッション的に組み立てられたら良いなと思ってたんですが、セルフカヴァー曲の完成度を上げていかなきゃいけなかったし、頻度的にも着手する暇が作れなかったのです。
それに他の新曲がどんどん出来てしまったんですよね。2021年の筆者は新曲オバケになってしまっていたため、パワーのある新曲が10曲以上も脳内に落ちてきてしまいました。
一応こっちに歌を乗せようとしたんですが、雰囲気は出来てもどうも上手くはまらない。それらしい光景のイメージは頭に過るんだけど、どうしてもコンセプトが先んじてしまっている所為で変に演出的になってしまって、自己の中の切実で生々しい部分から響いてくるような歌が出て来ない。
Bメロは7月くらいには思いついていたと思うのだけど、Aメロが全然まとまらない。コミカルにしようと思えば思うほど嘘臭くなってしまって、「ハロウィンの曲なのに今年の10月末までに発表出来ないかも……。」という状況が続きました。
でも、曲なんて結局「作るぞ!」と思ったところで、曲の方から落ちてきて自分がそこに構えない限りは大したものは出来んわけです。
野球でいう守備みたいなものですね。現実の出来事とかフィクションや空想の主観的体験とかから常に千本ノックを受けているような状態なのかも知れない。
兎も角、何かAメロが自分の中の何かと共鳴した途端に歌がスラスラと出て来て、まとまりのなかったBメロの構成も決まり、そして全くハロウィン的な雰囲気のないCメロが敢えて大胆な仲介役を申し出たことによって、自分の中の温度のある連想とも上手く噛み合ったストーリー(と言っていいのか)が出来上がってくれました。
録音も、いつも血豆を作って全身バキバキになりながら何テイクも何テイクも重ねて制作するんで、この曲もベースラインとか結構踏ん張ったんですが、同時に豆が出来たら一旦5弦ベースを置いて、後日治ってから弾き直したりと、曲のコンセプトに相応しくちょっと気楽なノリで進めることも出来ました。
おかげで一種の企画ネタとして思いつきで作ったような滑稽な歌であると同時に、胸を裂くような情感も籠めることが出来たな。という自己評価になっております。
以上、制作秘話でした。
因みに“BJSE”みたいな可変拍子って、奇を衒ってる感じになるし、単純な2コードをぐるぐるする方がサイケデリックなんじゃ~!という考えからやって来なかったんですが、こうして作ってみると想像以上に様になって吃驚。
そして、今回収録した弾き語りが正にその循環コード系で、別の側面の良さを同時に出せたという点で、自分では最も達成感を感じています。
弾き語りは両方ともソロのSoundcloudにアップしました。
上のは“地べたの味”のCメロのサイドヴォーカル、下のは“くらげ”のセルフカヴァーです。(ボーナス・トラックは“ドゥードゥリア”のセルフカヴァー。)
“地べたの味”の方は、弾き語りしたのにエフェクトかけただけなんですが、西海岸のサイケバンドのレコードにぽつんと入ってそうな音像になって満足。
ハロウィンが終わっても、“BCSE”や“13月への白い虹”をはじめとするこのEPの収録曲を宜しくお願い致します。
次はバンドで録音したものを発表出来るよう、引き続きがんばります。
メルシーダンケアリガトー。
文責:佐藤直哉
って絶対に質問されると思うので、予め書いておけばいい気がした。
A. 意味は全く無いです。何の意味も無いんです。はい、終わり。
~完~
……ただし由来ならある。
昨年の或る日、漫画『来世であいましょう』を久々に読み返していた時のこと。
ふと、登場人物の名前の由来が気になった。
近松ナウは英語の“now”だ(正確には尼崎市の「近松ナウ事業」+Twitterの「なう」か?)。牧野キノは「昨日」で、池袋エチカはまんま「エチカ池袋」に違いない。
ということまではちょっと検索したら解る。
さて、では白良浜かぴあの「かぴあ」とは一体何だろう?
調べると「白良浜」というのは和歌山県に白良浜海岸という名所があるらしい。関西の地名だから多分これ由来だろう。
じゃあ下の名前は一体何から来ているのだろうか?
パッと調べても解らない。もう少し詳しくググッてみしょうホトトギス。
──search for "かぴあ" or "カピア" or "kapia" or "capia"...
検索して出て来た諸々の一覧がこちら。
「ト・チャーは勉強をひと通り終えると、ト・スレイマンにお礼(pengkeras)として腰布一枚、上着一枚、カピア(意味不明)一粒と七◯リンギッドを贈った。」
(参考文献・引用元:板垣明美 『癒しと呪いの人類学』235頁, 2003年, 春風社)
成程ね、①の由来がもしあるなら何となく②のような気がするが、小路啓之先生は2016年に急逝なさってしまったので、確認しようがない。
ご存命であればサイン会で直接質問するのだけれども。でもその謎っぷりが愛おしくもある。
ここまで来たら「カピアズ」みたいなグループ名もある気がする。
Capiasだったら何かスマート過ぎるので、Capiazの方がシャキッとする気がする。アレとかコレも“s”じゃなくて“z”だし。
でもCapiazだと何か頭がツルツルなので定冠詞を付けた方がいい、ドイツ語やフランス語だと変になるのでシンプルに英語だろう。
“Thee Capiaz”だと何か大袈裟なので、やっぱり普通に“The Capiaz”がスッキリしてくれる気がする。
よし、じゃあ自分のバンド名にしてしまおう。
そして現在に至るのであった。
だから意味は無いですが、上に挙がってる全部が由来ということでいいと思います。きっと。
文責:佐藤直哉
窮屈で息苦しい時代だなと思います。COVID-19とか関係なくです。
沢山の曲を作ってきました。ロックを宅録で長年やってきました。
休学している時も、人と徹底的に関わらずにいようとした時も、失業した時も、誰かにとって意味のある曲を書いているということだけを信じて。
Bandcampなどで配信していると、ニューヨークのラジオで流してもらえたり、ロシアの漫画家がカヴァーアートを描いてくれたりと、評価してくれる人は評価してくれました。
「その曲、バンドで聴きたいなあ。」…時にはそんな声もありました。
さて、今時、インドアな人間だからこそ思う。
「これで良いのか?」
今や誰もがwebで配信して、DTMでも質の高い音楽を発表する人が沢山いて、CGやVRだって先進的で、遂に時代はステイホームで。
でも、やっぱりロックは生身のLIVEじゃなきゃダメだ。ステージに立って生身で歌わなきゃダメだ。体を動かして鳴らすのがロックだと思う。例えどんなにダウナーで気怠いサウンドでも。クールな振る舞い音楽性でも。
高級な機材で完璧に楽譜を再現するとかじゃなくて、急に飛び跳ねたり、奇声あげたり、歌詞を忘れてアドリブで歌ったり、ギタリストがドラムに飛び込んだり、その時その時しか鳴らせないフィードバックノイズが轟いていたり…そういうものを聴きたかったんじゃなかったか。
そら他人は怖いけど、誰かに近寄ることも近寄られることもない不安のない世界で心動かさずにいて、生きてる実感とかなくさずにいる自信あるのか?
皆は何処へ向かっているのかな。見かけだけは棘を削ぎ取った微温的な優しさは幾らでも巷に溢れていて、それで他人との間に何の齟齬も葛藤も衝突もない気楽な時間をとりあえずは適当に過ごすことは可能なのかもだけれど。そして俺もそれに甘んじそうになるけれど…
それで良いのか?本当にか?少なくともロックがそこに安住して良いのか?何を考えるにもロックを聴きながらだった人間が。
この、2020年に書いた"ヴァルフント"という曲は、描くべきことを全て描けたと思います。
近年出たスピッツ『見っけ』やTHE BACK HORN『カルペ・ディエム』を聴き、今の世の中の他罰的で窮屈な感じとか、お行儀良い無菌室のような世の中への違和感や反発心が全開で感銘を受けました。
自分も自分流でそういう歌を作ろう。そんな気持ちでいたらこういう歌が出来ました。パンクサウンドではないけど、アティテュードはパンクだと思う。
「スウェーディッシュ・ヴァルフント」という日本にはあまりいない犬種がいて、そのチビ狼の野性のイメージに思いを託しました。
この"アマゾネス・フリーク"という曲は、実は作曲自体は2013年の時点で出来ていて、当時から一部で絶賛されて、自分でも化け物を産んだと思ってたけど、出来に納得していなかったものでした。(このヴァージョンは2017年にスタジオでミックスしてもらったもの。)
アジカン後藤の主宰するサイトなんかで音楽ライターをやっていた青野圭祐っていう後輩がいて、彼は2019年末に突然死んじゃったのだけど、この曲のオルガン等ソフトシンセの音は彼と二人で作業しました。
でも、「この曲は生ドラムの前でギターを掻きむしりながらじゃなきゃ!」という思いがずっとあります。
(あ、『Mortal Psychle』のカヴァーアートを描いてくれたNUさんはSEマンガ大賞受賞おめでとうなのでした。あなたの怒涛の如き線で描かれる物憂げで可愛らしくも色気ある絵は世界中に受け容れられる気がするよ、俺は。)
"ヴァルフント"と一緒に両A面にしたのが、"ゲシュタルト・グンタイアリ"って曲です。
エロ・グロ・ヴァイオレンスな世界を舞台に、ばりくそ破壊的でダークなサウンドのオルタナを作ろうと思いました。「サイケ」としてのトリップ感と「グランジ/オルタナ」のヘヴィネスを共存させることに成功したと思います。
基本的に自分の曲は、遅くてダルいのが多いんだけど、この時はオーディエンスが爆音で狂ったように暴れたくなるような音楽が良いなと思って録音しました。LIVEで鳴らしたら絶対に気持ちいい。
ドラムのことは全然解らないんだけど、この曲はグランジ感を出すためにめっちゃ打ち込みにこだわりました。こういう風にドカドカとフロアタムをぶん殴れる人、求む。
最近メジャーコードの曲を作りたくて、高音も歌えるようになってきたので、持ち前のポップなメロディセンスを最大限に生かしてみようと思ったのが最新シングルの"うずらのサバト"でした。
音源の完成度には納得してないところがあるけれど、ロシア在住のRie Yuさんが描いてくれたイラストは超お気に入りです。
"青い蛾"や"Sayo Song"は、サイケ全開の曲です。
基本的にはロックに限らずサイケデリックな音楽が好きで、テキサスでサイケデリック・ロックのフェス(LEVITATION)を観たことも過去にあります。